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HSRP を究める - 実践編(17) 設定用コマンド(3)

HSRP 関連のコマンド一覧です。


    standby authentication
    standby authentication md5 key-string
    standby authentication md5 key-chain


[no] standby [Group Number] authentication [text] [Word]

認証用の文字列を設定します。

IOS version 10.0 から使用可能です。

    Group Number
    Standby Group 番号。0から255まで指定できます。
    指定しない場合、0が選択されます。
    IOS version 10.3 から、Group 番号を指定できるようになりました。
    IOS version 12.3(4)T からサポートされるHSRP version 2 を使用する場合は、0から4095まで指定できます。

    text
    認証文字列が平文(プレインテキスト)であることを指定します。
    IOS version 12.1 から使用可能になりました。
    IOS version 12.1 以降でも、省略して、直接文字列を入力することもできます。

    Word
    認証文字列を設定します。
    半角で101文字までです。
    英数字と、? 以外の記号 -=\`!@#$%^&*()_+|~[]{};':",./<> が、使用できます。

コマンドの先頭にno を付けると、設定を削除できます。



[no] standby [Group Number] authentication md5 key-string [0 | 7] [Word] [Timeout] [Value]

ハッシュアルゴリズムにMD5 を使って、認証文字列の暗号化を行います。
IOS version 12.3(2)T から使用可能です。

    Group Number
    Standby Group 番号。0から255まで指定できます。
    指定しない場合、0が選択されます。
    IOS version 12.3(4)T からサポートされるHSRP version 2 を使用する場合は、0から4095まで指定できます。

    0
    キーを暗号化しないことを指定します。
    省略した場合は、暗号化しないことを意味します。

    7
    キーを暗号化することを指定します。
    省略した場合は、暗号化しないことを意味します。

    Word
    キー文字列を入力します。
    半角で64文字までです。
    英数字と、? 以外の記号 -=\`!@#$%^&*()_+|~[]{};':",./<> が、使用できます。

    Timeout
    キーを変更する際は、Active Router 以外のルータを先に変更し、Active Router は最後に変更する必要があります。

    Timeout は、キーの設定変更をしている間、Active Router から受け取る古いキーを、何秒間許容するかを指定します。

    許容している秒数が経過すると、認証に失敗したことを意味するメッセージを出力し、Active Router になろうとします。

    つまり、Standby Group に所属するすべてのルータで、キーを変更し終えるのに必要な時間を設定する必要があります。

    許容されるのは、Active Router からの古いキーだけです。
    Active Router からの新しいキーは許容されないため、Active Router からキーの変更を始めると、他のルータは即座に認証失敗のメッセージを表示し、Active Router になろうとします。

    他のルータからの新しいキーは、即座に認証失敗と判断され、メッセージが表示されますが、Active Router との間で同じキーを使っている限りActive Router になろうとはしないので、問題ありません。

    Cisco は、Active Router でキーの変更をした場合、古いキーを保持するのは(Timeout で設定した値ではなく) Hold Time の間だけと述べていますが、実際にはTimeout 値の方が有効なようです。
    しかし、結局のところ、Active Router のキーを変更すると、即座に他のルータがActive Router になろうとしてしまうので、やはりActive Router のキーは最後に設定しなければなりません。



The active router should have its key string changed no later than one holdtime period, specified by the standby timers interface configuration command, after the non-active routers.

    IOS version 12.4 で確認したところ、記号の! で始まるkey-string を指定すると、Timeout オプションが表示されません(そのほかの記号は大丈夫です)。
    ! で始まるKey-string が使えないわけではありません。



Router-A(config-if)#standby 10 authentication md5 key-string !test-key ?
0 Specifies an UNENCRYPTED key string will follow
7 Specifies a HIDDEN key string will follow
WORD Key string (64 chars max)

Router-A(config-if)#standby 10 authentication md5 key-string !test-key

    Timeout は表示されませんが、直接入力することは可能です。



Router-A(config-if)#standby 10 authentication md5 key-string !key ?
0 Specifies an UNENCRYPTED key string will follow
7 Specifies a HIDDEN key string will follow
WORD Key string (64 chars max)

Router-A(config-if)#standby 10 authentication md5 key-string !key timeout 10
Router-A(config-if)#

    Value
    0から32767の間で指定可能です。

コマンドの先頭にno を付けると、設定を削除できます。

Cisco は、Key の長さを16文字以上にすることを推奨しています。


The key can contain up to 64 characters. We recommend using at least 16 characters.



[no] standby [Group Number] authentication md5 key-chain [Word]

ハッシュアルゴリズムにMD5 を使って、認証文字列の暗号化を行います。
key chain コマンドで事前に作成した、キーチェインを用いる場合に使用します。
IOS version 12.3(2)T から使用可能です。

    Group Number
    Standby Group 番号。0から255まで指定できます。
    指定しない場合、0が選択されます。
    IOS version 12.3(4)T からサポートされるHSRP version 2 を使用する場合は、0から4095まで指定できます。

    Word
    key chain コマンドで作成したキーチェインの名前を指定します。

コマンドの先頭にno を付けると、設定を削除できます。



HSRP を究める (1) はじめに
HSRP を究める (2) バーチャルルータ
HSRP を究める (3) バーチャルルターのアドレス
HSRP を究める (4) Hello の交換
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HSRP を究める(12) Interface Tracking
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HSRP を究める(14) Authentication
HSRP を究める(15) ICMP Redirect
HSRP を究める(16) ICMP Redirect との協調動作

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HSRP を究める - 実践編(2) Standby Group をつくる
HSRP を究める - 実践編(3) Active Router に障害を発生させてみる(1)
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HSRP を究める - 実践編 (5) Active Router に障害を発生させてみる(2)
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