ネットワークエンジニアになろう! > HSRPを究める > HSRP を究める - 実践編(18) 設定用コマンド(4)

この記事は、改訂&リニューアルして『P はプロトコルのP - HSRP を究める』へ移転しました。

HSRP を究める - 実践編(18) 設定用コマンド(4)

HSRP 関連のコマンド一覧です。


standby mac-address
standby use-bia
standby version
standby sso
standby redirects
standby redirects [disable | enable]


[no] standby [Group Number] mac-address [MAC Address]

Standby Group のVirtual MAC アドレスを指定します。
BIA を使わない限り、通常は00-00-0c-07-ac-xx がVirtual MAC アドレスとして使われます。
APPN(Advanced Peer to Peer Network) を使用している環境では、端末は、DLUR(Dependent Logical-Unit Requester) Router に設定されたVirtual MAC アドレスへ、接続要求を送信します。
Active Router の使用するVirtual MAC アドレスを、APPN と一致させるための手段として、このコマンドが使われます。

IOS version 11.2 から使用可能です。

    Group Number
    Standby Group 番号。0から255まで指定できます。
    指定しない場合、0が選択されます。
    IOS version 12.3(4)T からサポートされるHSRP version 2 を使用する場合は、0から4095まで指定できます。

    MAC Address
    MAC アドレスを指定します。

コマンドの先頭にno を付けると、設定を削除できます。

standby use-bia を使用しているときは、設定できません。

MAC アドレスの重複によるトラブルを防ぐため、特に必要がない場合は、Virtual MAC アドレスの変更は行わない方が良いでしょう。


[no] standby use-bia

Active Router となっているときに使うMAC アドレスを、バーチャルMAC アドレスから、BIA(Burnt In Address) に変更します。

IOS version 11.2 から使用可能です。

コマンドの先頭にno を付けると、設定を削除できます。



[no] standby version [1 | 2]

HSRP のバージョンを指定します。
指定しない場合は、バージョン1が選択されます。

HSRP バージョン2 では、Standby Group 番号を0から4095の間で設定できます。

コマンドの先頭にno を付けると、設定を削除できます。
ただし、256 以上のStandby Group 番号を設定している場合は、削除できません。

HSRP バージョン2で使われるバーチャルMAC アドレス は、00-00-0C-9F-Fx-xx となります。

    x-xx に、Standby Group 番号を16進数にした値が入ります

IOS version 12.3(4)T から使用可能です。

    1
    HSRP バージョン1を指定します。

    2
    HSRP バージョン2を指定します。



[no] standby sso

SSO(Statefull Switch Over) によるRoute Processor の二重化を行っているルータで使用します。

Route Processor の切り替わり発生時、切替わりが完了するまでの間に他のルータがActive Router になることを防ぎます。
Standby RP がActive になる前に、HSRP の機能を先に肩代わりすることで、切替わり中にもActive Router として動作することができます。

SSO を設定してあるルータでは、自動的にこの機能が有効になります。
コマンドの先頭にno を付けると、この機能を無効にすることができます。

IOS version 12.2(25)S から使用可能です。



[no] standby redirects

HSRP とICMP Redirect の協調動作を有効にします。

HSRP とICMP Redirect の協調動作は、デフォルトで有効になっており、running-config やstartup-config には表示されません。
コマンドの先頭にno を付けると、この機能を無効にすることができます。

IOS version 12.1(3)T から使用可能です。

ICMP Redirect 自体が有効な場合(ip redirects コマンド)、この機能を無効にすると、以下の警告メッセージが表示されますが、協調動作は無効になります。



Router-A(config-if)#no standby redirect
% ICMP redirects are enabled on the interface.
Router-A(config-if)#

HSRP とICMP Redirect の協調動作を無効にすると、Redirect 先のIP アドレスは、Virtual IP アドレスではなく、Real IP アドレスが指定されます。

このコマンドは、インターフェイス単位で設定できますが、グローバルコンフィグレーションモードで設定することで、すべてのインターフェイスで有効、または無効にすることもできます。



Router-A(config)#no standby redirects
Router-A(config)#



standby redirects [disable | enable]

HSRP とICMP Redirect の協調動作を有効、または無効にします。
グローバルコンフィグレーションモードで使用します。

[no] standby redirect を、グローバルコンフィグレーションモードで使用するのと同じです。

IOS version 12.1(3)T から使用可能です。

    disable
    HSRP とICMP Reriect の協調動作を無効にします。

    enable
    HSRP とICMP Reriect の協調動作を有効にします。



HSRP を究める (1) はじめに
HSRP を究める (2) バーチャルルータ
HSRP を究める (3) バーチャルルターのアドレス
HSRP を究める (4) Hello の交換
HSRP を究める (5) HSRP のパケットフォーマット
HSRP を究める (6) HSRP メッセージの種類
HSRP を究める (7) HSRP のTimer
HSRP を究める (8) HSRP ステート(State)
HSRP を究める (9) Gratuitous ARP
HSRP を究める(10) Preempt
HSRP を究める(11) Standby Delay コマンド
HSRP を究める(12) Interface Tracking
HSRP を究める(13) BIA (Burnt In Address)
HSRP を究める(14) Authentication
HSRP を究める(15) ICMP Redirect
HSRP を究める(16) ICMP Redirect との協調動作

HSRP を究める - 実践編(1) HSRP を設定する前の状況を確認する
HSRP を究める - 実践編(2) Standby Group をつくる
HSRP を究める - 実践編(3) Active Router に障害を発生させてみる(1)
HSRP を究める - 実践編 (4) Preempt とプライオリティを設定する
HSRP を究める - 実践編 (5) Active Router に障害を発生させてみる(2)
HSRP を究める - 実践編 (6) Interface Tracking
HSRP を究める - 実践編 (7) Timer を変更する
HSRP を究める - 実践編 (8) Standby Group に参加するルータの認証
HSRP を究める - 実践編 (9) Standby Group を追加する
HSRP を究める - 実践編(10) Active Router に障害を発生させてみる(3)
HSRP を究める - 実践編(11) Standby Group に名前を付ける
HSRP を究める - 実践編(12) ICMP Redirect(1)Active Router
HSRP を究める - 実践編(13) ICMP Redirect(2)Passive Router
HSRP を究める - 実践編(14) ICMP Redirect(1)Unknown Router
HSRP を究める - 実践編(15) 設定用コマンド(1)
HSRP を究める - 実践編(16) 設定用コマンド(2)
HSRP を究める - 実践編(17) 設定用コマンド(3)
HSRP を究める - 実践編(18) 設定用コマンド(4)
HSRP を究める - 実践編(19) 設定用コマンド(5)
HSRP を究める - 実践編(20) show コマンド

HSRP を究める - 応用編(1) 複数のインターフェイスをトラッキングする(1)
HSRP を究める - 応用編(2) 複数のインターフェイスをトラッキングする(2)
HSRP を究める - 応用編(3) IP の経路情報 をトラッキングする(1)
HSRP を究める - 応用編(4) 異なる種類のObject をトラッキングする
HSRP を究める - 応用編(5) 特定のIP アドレスへの到達性をトラッキングする
HSRP を究める - 応用編(6) トラッキング対象のObject に重み付けをする
HSRP を究める - 応用編(7) HSRP version 2
HSRP を究める - 応用編(8) HSRP version 2 のパケットフォーマット
HSRP を究める - 応用編(9) HSRP version 2 (2)


ネットワークエンジニアになろう!のトップページへ戻る
サイト内検索
無料メールマガジン「英語でネットワークエンジニア」
マニュアルやRFCを読むのに必要なのは、高度な文法知識ではなく語彙力です。毎回一単語、例文と解説に技術情報を併せてお届けします. (マガジンID:0000181633)
メールアドレス:
Powered by
This website is powered by Movable Type 3.2 Smartnetworks.jp.