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IOS Ping 使いこなし(2) レイヤ3スイッチにおける注意点

最近は、LAN スイッチにルーティング機能が実装されていることが当たり前になってきました。いわゆるレイヤ3スイッチです。

従来のルータがソフトウェア(CPU) で処理していたのに対し、レイヤ3スイッチは、ルーティングをハードウェア(ASIC - Application Specific Integrated Circuit) で行う事で高速な処理を可能にしています。

ASIC やFPGA(Field Programmable Gate Array) などの半導体素子製造技術の進歩によりレイヤ3スイッチは発展してきましたが、その普及は、IP の普及に拠る所が大きいと言えます。

ハードウェアにより処理をするということは、柔軟性を犠牲にするということでもあります。
従来型ルータの利点である柔軟性の高いCPU 処理から、決まった処理を高速に行うASIC へのシフト。

決められたとおりの処理を高速に行うには、処理の対象であるパケットが決まったフォーマットに則っている必要があります。
IPX、DECnet、Appletalk・・・数年前まで、LAN では様々なプロトコルが混在していました。
その中の一つでしかないIP だけを対象に高速処理を実現しても、それほどのメリットにはなりません。
受信するほとんどのパケットはIP、そんな状況が現出して初めて、レイヤ3スイッチが普及できるようになったのです。

そんなレイヤ3スイッチにも苦手なIP パケットがあります。

IPヘッダーにオプションが指定されているIP パケットです。
TTL、アドレス、TOS・・・ヘッダーには様々なフィールドがありますが、全て固定長です。
これに対してオプションフィールドは、中に入る情報次第で小さくもなれば大きくもなります。機能が拡張されれば、それまで想定していなかった情報が格納されます。

どのようなパケットがハードウェア処理可能かは、メーカにより異なります。
Cisco のCatalyst シリーズでは、以下の三つの条件に合致するIP パケットがハードウェア処理の対象となります。

レイヤ2のフォーマットがEthernet II
フラグメンテーションの必要が無いパケット
IP オプションの無いパケット

この条件に合致しない場合、IP パケットであっても全てソフトウェア処理されます。

Ping の拡張機能を使った場合も、中継ルータがCatalyst だとソフトウェア処理されてしまうので要注意です。


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