無料メールマガジン「英語でネットワークエンジニア」
アライドテレシス、アラクサラ、日立電線・・・確かに国産メーカーもがんばっていますが、今でも通信機器市場はCisco Systems に代表される米系メーカーの独擅場です。
ルータやスイッチを設定するために、英語のマニュアルやメーカーのホームページ上の資料を読むことはネットワークエンジニアの業務と言っても過言ではありません。
え?Cisco のマニュアルは日本語化されているから、英語なんて必要ないですか?
確かにCisco はマニュアルを日本語化していますし、TAC の技術資料の翻訳にも力を入れているようです。
しかし、です。
本屋に並んでいるような翻訳本とは違い、ウェブサイト上の技術情報は、次々に本社から送られてくる資料を早く訳して公開するのに手一杯で、訳文の質は決して高くありません。
訳しているのはエンジニアではありません。訳している間に、原文にあった文字になっていない(行間の)文脈が抜け落ちてしまい、役に立たない技術資料も多く見られます。
そうです。マニュアルやRFC を原文で読めれば、日本語だけでは得られなかった多くの情報があなたの物になるのです。
「でも、辞書と画面を行ったりきたりしてると疲れるんだよね。。。」
ごもっともです。しかし、マニュアルやRFC は中学英語レベルでも十分読み解くことができます。
必要なのは語彙力(単語)です。
メールマガジン「英語でネットワークエンジニア」では、毎回ひとつの英単語を取り上げ、技術資料の中での使われ方を見ていき、例文にちなんだ技術解説をします。
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2006/1/9
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■ 発音
http://dictionary.goo.ne.jp/voice/e/01011290.wav
スイッチやルータなどのネットワーク機器では、様々な
タイマーが動作しています。
ある状態から他の状態へ遷移するためのトリガーとして、
タイマーが利用されています。タイマーは刻一刻とカウ
ントし続け、規定値に達するとexpire し、それをトリ
ガーに次の状態へ遷移します。
■ 例文
The switch port waits for the Forward Delay timer to
expire, moves the port to the LEARNING state, and
resets the Forward Delay timer.
■ 訳文
Switch port は、Forward Delay タイマーが満了するのを
待ち、LEARNING ステートへ移行し、Forward Delay タイ
マーをリセットする。
■ 解説
STP(Spanning Tree Protocol)のポート・ステート遷移
に関する説明文です。
スイッチのポートがリンク・アップすると、BLOCKING ->
LISTENING -> LEARNING と状態遷移し、そのポートの先に
ループが存在しないと判断されるとFORWARDING となります。
この例文では、LISTENING -> LEARNING の状態遷移を取り
上げています。
LEARNING へ状態が遷移すると、Forward Delay タイマーは
リセットされ、最初からカウントが始まります。
Forward Delay のデフォルトは15秒ですが、4〜30秒の間で
設定可能です。
■ 意訳
Forward Delay タイマーが満了すると、Switch port は
(LISTENING から) LEARNING ステートへ移行し、Forward
Delay タイマーをリセットする。
■ 補足
expire の名詞形 expiration を使って、次のように言い
換える事も出来ます。
The switch port waits for expiration of the Forward
Delay timer, moves the port to the LEARNING state,
and resets the Forward Delay timer.
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