STP を究める 基礎編 (1)スパニングツリーとルーティングプロトコル
STP (Spanning Tree Protocol) は、レイヤ2で動作するプロトコルです。
ルーティングプロトコルは、RIP、OSPF などさまざまですが、どれもレイヤ3で動作するプロトコルです。
異なるレイヤで動作する2種類のプロトコル。
何の関連性もないように思えますが、両者をよく観察すると、同じ種類のものであることがわかります。
- 「STP とRIP(OSPF)は同じ」
何を馬鹿なことを、と思いますか?
両者はどちらも、機器同士で情報を送り合い、ある物への最短パスを探し出すことを目的としてます。
「ある物」とは、STP ではRoot Bridge(ルートブリッジ)であり、RIP(OSPF) では個々の宛先ネットワーク(サブネット)です。
何を以って「最短」と判断するか。
STP ではRoot Path Cost(ルートパスコスト)であり、RIP やOSPF ではメトリックです。
つまり、対象物(Root Bridge かネットワーク)と判断基準(Root Path Cost かメトリック)が異なるだけで、目的は同じというわけです。
私は、これらのプロトコルを総称して、分散システムの収束アルゴリズムと呼んでいます。
この特集では、STP を究めます。
それでは、STP が動作している機器がどのようにしてRoot Bridge への最短パスを探し出すのか、見ていきましょう。
- STP を究める 基礎編 の内容は、特に明記しない限り、1998年版のIEEE 802.1D に基づいています。
Bridge ID、Port ID、Path Cost 値など、IEEE 802.1T で行われた仕様の拡張は、2004年版のIEEE 802.1D に盛り込まれています。
これらの拡張仕様については、応用編にて説明する予定です。
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