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この記事は、改訂&リニューアルして『P はプロトコルのP - UDLD を究める』へ移転しました。

UDLD を究める(10)UDLD のアルゴリズム(2)Unidirectional を検知する

一旦Bidirectional になった後、Unidirectional を検知するまでを見ていきます。

Advertisement フェイズ

受信するUDPD PDU に、自分の情報が無くなってから45秒(対向機器から通知されるMessage Interval の3倍)経過すると、学習していた対向機器の情報を削除し(Age Out)、Link Up フェイズへ移行します。

上図では、Catalyst-A は、Catalyst-B からのProbe を受信できなくなりました。

Link Up フェイズ(Catalyst-A)

Catalyst-A がLink Up フェイズへ移行すると、空のEcho TLV を持ったProbe を、1秒間隔で送信し始めます。

Catalyst-B は、まだAdvertisement フェイズです。

このときのUDLD PDU に含まれる内容は以下のとおりです。

Catalyst-A

    Opcode = 00001 (Probe)
    RT bit = 1
    RSY bit = 1
    Device ID TLV = 自分のDevice ID
    Port ID TLV = このUDLD PDU を送信しているポートの番号
    Echo TLV = 空
    Message Interval = 7
    Timeout Interval = 5
    Device Name TLV = 自分に設定されたhostname

Catalyst-B

    Opcode = 00001 (Probe)
    RT bit = 1
    RSY bit = 0
    Device ID TLV = 自分のDevice ID
    Port ID TLV = このUDLD PDU を送信しているポートの番号
    Echo TLV = 受信したUDLD PDU から抽出したDevice ID/Port ID (Catalyst-A)
    Message Interval = 15
    Timeout Interval = 5
    Device Name TLV = 自分に設定されたhostname

Catalyst-A から、空のEcho TLV を持ったProbe を受信し始めると、Catalyst-B はDetection フェイズへ移行します。


Detection フェイズ(Catalyst-B)

Catalyst-B がDetection フェイズへ移行すると、Catalyst-A との間のフレーム到達性確認をはじめます(ディテクションウィンドウ)。

Catalyst-A がUDLD PDU を受信できない今の状態で、Catalyst-A から送られてくるUDLD PDU のEcho TLV に、自分の情報が格納されることはありえませんので、5秒後、ディテクションウィンドウが終了し、拡張ディテクションウィンドウが開始されます。

Catalyst-A からは、空のEcho TLV を持ったUDLD PDU を受信し続けているので、拡張ディテクションウィンドウが始まるとUnidirectional と判断され、Catalyst-B はFlush を送信し、ポートをErrDisableにします。

Catalyst-B の側でErrDisable となると、Catalyst-A のポートはリンクダウンします。


Catalyst-A が積極的にポートをErrDisable としないのは、UDLD PDU の未達が一時的な物である可能性を考慮し、復旧可能な場合を想定しているからです。

UniDirectional と判断するための条件が、拡張ディテクションウィンドウ中に、空のEcho TLV を持ったUDLD PDU を対向機器から受信することである点に注意してください。
Catalyst-Bのポートが受信も送信もできなくなった場合は、両方のCatalyst がLink Up フェイズにとどまり続けることとなり、UniDirectional を検知する事はできません。

この欠点を解消したのが、UDLD アグレッシブモード です。



UDLD を究める (1) はじめに
UDLD を究める (2)Bidirectional とUnidirectional
UDLD を究める (3)UDLD とAuto Negotiation
UDLD を究める (4)UDLD の基本動作
UDLD を究める (5)UDLD のパケットフォーマット
UDLD を究める (6)UDLD のタイマー
UDLD を究める (7)Bidirectional State
UDLD を究める (8)Operartional State
UDLD を究める (9)UDLD のアルゴリズム(1)ネイバー関係の確立
UDLD を究める(10)UDLD のアルゴリズム(2)Unidirectional を検知する
UDLD を究める(11)UDLD アグレッシブモード
UDLD を究める(12)UDLD ノーマルモードとアグレッシブモードの互換性
UDLD を究める(13)設定用コマンド
UDLD を究める(14)show コマンド
UDLD を究める(15)UDLD のデバッグ(1)ネイバー関係の確立
UDLD を究める(16)UDLD のデバッグ(2)Unidirectional を検知する
UDLD を究める(17)UDLD のテスト環境を構築する
UDLD を究める(付録) UDLD の状態遷移を時系列で観察する


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